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舞台裏

根拠をどう読んでいるか

呼吸に関する研究の多くは、小規模で、対照がなく、期間も短いものです。アプリのどの文を何にもとづいて書いているのか、そして何をあえて書いていないのか。

約6分で読めます

インターネットで目にする呼吸エクササイズの説明の多くは、その裏にある研究が示している以上のことを言っています。アプリでもこのサイトでも、そうならないように気をつけています。どうやって判断しているのかを書いておきます。

3つの信頼のレベル

ある呼吸法について言えることは、どれも同じくらい確かなわけではありません。大まかに3つに分けています。

測定された生理的な効果。 1分間に6回前後の呼吸で心拍変動(HRV)が高まる、といったものです。何度も再現されていて、しくみも理解されており、測定は機器で行われています。これはそのまま書きます。

対照のある研究で見られた結果。 生理的ため息が1か月の研究で、気分の測定値においてほかの方法を上回った、といったものです。比較グループがあり、量もはっきりしています。これは研究名を挙げて書きます。「この研究で、この条件のもとで、こういう結果が見られた」というふうに。

伝統の中で言われてきたこと。 クーリング呼吸が体を冷やす、カパラバティが体を浄化する、といったものです。これらはまったく書かないか、伝統の中での言い伝えであることを明記して書きます。

呼吸の研究に共通する問題

参加者が少ない。 20〜30人規模の研究がよくあります。この規模では、偶然の結果が出やすくなります。

対照グループが弱い。 「呼吸エクササイズをしたグループと、何もしなかったグループ」の比較では、呼吸の効果ではなく何かをしたことの効果を測っているのかもしれません。よい研究では、何かしらの活動をする比較グループを使っています。

盲検にできない。 薬の研究では、参加者は自分がどのグループにいるかを知りません。呼吸エクササイズでは知っています。そのため、期待による効果を取り除くのがとても難しいのです。

測定が本人の申告。 「前より落ち着いた」は大切なデータですが、機器で測った数字ではありません。

量があいまい。 何分、何日、どのペースで行ったのかをはっきり書いていない研究がたくさんあります。それがわからない研究の結果は、アプリに落とし込むことができません。

アプリではどうしているか

クーリング呼吸。 伝統的には「体を冷やす」呼吸として知られています。Tellesらの2020年の研究では体温を測りましたが、下がりませんでした。アプリにはこのことがはっきり書かれています。ストアの説明文にも「体を冷やす」という文はなく、口の中のひんやりした感覚だけを説明しています。その感覚は本物ですが、測定されたのはそれではありません。

左鼻呼吸と右鼻呼吸。 元になった研究は片方の鼻だけで行う方法を測っていて、参加者の数も少なめです。アプリの文章では、このこと、根拠が弱いこと、そして秒数が出典には書かれていないことをはっきり伝えています。

右鼻呼吸と夜。 右鼻呼吸が覚醒を高めるという知見はありますが、弱いものです。それでも、この呼吸法は目を覚ますために行うものです。そのため夜の時間帯には、エナジー呼吸と同じように一覧のいちばん下に移り、同じ注記がつきます。夜には向いていません、目が冴えてしまうかもしれません、と。

量。 左鼻呼吸と右鼻呼吸のおすすめの時間は、本人の回答ではなく、研究で行われた時間から来ています。理由はこうです。これらの呼吸法では、量が足りないことは「少し控えめにやる」ことではなく、測定されたことをやっていないことになるからです。

書いていない文

アプリにもサイトにも、次のような文はあえて入れていません。「不安が消える」「血圧が下がる」「免疫力が高まる」「不眠を治す」「毒素を出す」。

このうちいくつかは本当かもしれません。でも、手元にある根拠で言えることではありませんし、アプリが利用者に医療的な約束をするのは正しくありません。

Soluklanはリラックスと集中のための呼吸エクササイズのアプリです。診断はしませんし、治療もしません。医師のアドバイスの代わりにもなりません。

間違えてきたところ

このやり方も完璧ではありません。ある呼吸法のしきい値が出典で見つからず、似た呼吸法から引き継いだこともありました。いくつかの数字、たとえば吸う息が何秒、吐く息が何秒といったものは、伝統的な教えから来ていて、測定による裏づけはありません。

そういうところでは、アプリ自体の文章がそう伝えています。わからないことについては、「わかりません」と書きます。

記事の中の出典リンク

研究にもとづく文には、その下に研究のリンクがあります。多くはPubMedの記録か、出版社の全文ページにつながっています。自分で確かめて、私たちの書いた内容と比べることができます。

出典の正確な記録を確認できなかったところには、直接のリンクではなく検索リンクを置きました。間違った研究に案内するよりは、検索に案内するほうがいいと考えています。

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